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医療の重要性

早期発見・診断・治療は、認知症においても大切なこと

認知症は治らないので、病院に行っても仕方がないと考えている人がいます。しかし、他の病気と同じように、認知症の早期発見・診断・治療はとても重要です。

 

◎ 治る認知症もある

認知症の初期症状は、治る認知症や認知症と似た別の病気と区別しにくい、という特性があります。早く発見し対応できれば、それらは治療可能です。また、適度な有酸素運動を含めた認知機能のリハビリテーションを利用していくことも一つの方法です。

例えば正常圧水頭症は、頭の中を流れている髄液の循環障害により、脳室と呼ばれる脳の中心部に髄液がたまってまわりの脳が圧迫され、歩行障害や尿失禁のほか、注意障害や自発性の低下、精神活動緩慢などの認知機能障害が出現します。これは脳(脳室)や腰椎から腹部(腹腔)にチューブを通して髄液を流す、シャント術と呼ばれる手術で治療できます。しかし進行してしまうと状態が固定され、髄液を流しても圧迫された部位が元に戻らず、治療効果がなくなってしまいます。同じような原因による認知症には脳腫瘍などもあります。

うつ病による認知機能低下も認知症の初期症状と似ています。しかし認知症ではなく、適切な精神医学的処置が施されることで治療可能です。

さらに、甲状腺ホルモンの低下によって起こる甲状腺機能低下症でも、注意力や記憶力の低下などの認知機能障害が見られます。しかしこれは甲状腺ホルモンの投与で治療可能です。ほかにも体のむくみや脈が遅くなるなどの症状があり、血液検査で診断できるものです。ただしこれも、放置すれば改善しなくなる場合があります。

◎ 自らの生き方を考え暮らしを工夫するために

認知症を早期に発見することはとても重要です。
早期発見により、本人が理解できる間に自らの病気について知ることができます。これは、初期の不安感などを軽減するためにも、その後の人生をどう生きるかを考える上でも重要です。

例えば、予想される病気の進行に応じた判断をあらかじめしておくこと、認知機能が失われてしまった後の生活や財産などの管理について意思表示をしておくこと、さらには終末期の医療やケアについての意思表示「リビング・ウィル」をしておくこともできます。

最も大切なのは、認知症になったからといって人生を簡単にはあきらめないこと。そのためにも、できるだけ早い段階で見つける必要があるのです。 

 

◎ できるだけ早くに医療や介護サービスと出会うために

病気が進行し重度化してから病院に行ったり介護サービスなどの利用を始めるのは、本人はもちろん支援する側にも負担が大きくなることがわかってきました。

認知症が疑われる段階で医療や介護サービスなどの支援と出会うことができれば、本人の思いや希望について十分に時間をかけて話し合いをすることができます。今までの生活の中で培ってきたさまざまな経験や知識、特技などを生かすプログラムに取り組むことができれば、心身機能に加えて、生活の質を向上させることにもつながります。
家族にとっても、本格的に介護が必要となる前から認知症や介護についての知識や技術を習得する、信頼できる相談窓口と早くからつながっておくなど、心身面の準備をするのに大切な時期となります。
十分な準備ができていれば、初期から病気が進行して生活機能が奪われてからもターミナル期に至るまで、その時々の進行状況に応じた最も適切な医療や介護など、総合的な支援の中で過ごしていくことができるでしょう。

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