京都式認知症ケアパスとは?
認知症ケアパスとは…
認知症ケアパスとは、認知症の人とその家族が、地域の中で本来の生活を営むために、認知症の人と家族及び地域・医療・介護の人々が目標を共有し、それを達成するための連携の仕組みです。認知症ケアパスの概念図を作成することは、多職種連携の基礎となります。
厚生労働省が平成24年6月に発表した「今後の認知症施策の方向性」の中でも、認知症ケアパスは認知症ケア全体の流れを左右するものとして重視されています。京都では、平成25年9月策定の「京都式オレンジプラン」の中で「京都式認知症ケアパス」が示されました。ここでの「ケアパス」とは、ケアの流れを意味しています。
京都式認知症ケアパスの特徴
京都式認知症ケアパスの概念図は白地図のようなものです。中心に描かれた認知症の人の「地域での生活」を医療と介護がともに支える構成は、認知症ライフサポートモデルそのままの図式化です。ここに、サービス提供などの関係を矢印などで書き込んで使用します。
概念図には、認知症への気づきからの進行過程を示す時間軸があります。中央に本人の軸があり、それを家族と地域住民の軸が挟んでいます。上段には介護関係の、下段には医療関係のそれぞれさまざまな地域資源が、横軸の進行段階に応じて可視化されています。各資源の縦軸配置は、生活との関連や利用頻度を踏まえて、外来や在宅での支援は内側に、入院や入所施設は外側に配置されています。
これらにより、例えば初期段階での「入り口問題」を担う可能性がある人々や機関、入り口での発見後のシステム的対応の動きも、わかりやすくなることが期待されます。
また、時間的な経過を記入する「経時表示」、ある時点で使える資源を理解するための「現時点表示」、両者を重ねた「複合表示」、地域でのモデル的な流れなどを示す「モデル表示」などが可能です。