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平成28年度京都府認知症初期集中支援チーム員養成研修を開催しました
2016年10月22日
市町村の認知症初期集中支援チームに参画できる作業療法士を養成するため、平成28年度京都府認知症初期集中支援チーム員養成研修を開催しました。
<研修概要>
●日 時 1日目(公開研修):平成28年10月22日(土)10:00~17:30
2日目(対象者限定): 平成28年10月23日(日)10:00~15:30
●場 所 ホテルコープイン京都
●主 催 京都府、一般社団法人京都府作業療法士会
●参加者 京都府内に所在または在職し、認知症初期集中支援に関心のある作業療法士等(市町村職員、地域包括支援センター職員含む)
1日目:87名(作業療法士、市町村職員、地域包括支援センター職員等)
2日目:46名(作業療法士)
●内 容
<1日目>
①認知症初期集中支援チームとは
講師:小川敬之氏(九州保健福祉大学 作業療法士)
◇初期集中支援チームが検討された経過に係り、初期対応が行われず家族や地域が限界まで介護し、限界がきた時点で入院処置となり、治療が行われるものの家族や地域は疲弊しきっていることから地域生活に戻れず長期入院や施設での生活を余儀なくされたという反省を、病院での身体拘束や男女が同じ浴室に入れられるなど尊厳を無視された扱いを受ける様子の写真を紹介しながら講義されていたことが印象的でした。
②認知症を支援するための社会資源
講師:松本善則氏(亀岡市地域包括支援センターあゆみ 管理者・京都府介護支援専門員会 副会長)
◇チーム員となる作業療法士が介護保険制度に触れる機会が少ない可能性があることから、介護保険制度を中心に、社会資源についての講義が行われました。特に若年性認知症の場合は介護保険を利用していると障がい者福祉サービスが使えないことがあることから、『他の資源を検討し、何もなければ介護保険の申請をするつもりであたってほしい』という講義がありました。
③認知症の医学的知識
講師:森俊夫氏(府立洛南病院 副院長)
◇代表的4第疾患の医学的知識、チーム員として関わる際に最低限必要な疾患の特徴、認知症のステージに沿ったサポートのあり方や、ケアパスにおける支援の抜け穴についての講義が行われました。
④認知症の作業療法
講師:山口智晴氏(群馬医療福祉大学 作業療法士)
◇チーム員としての実践活動において、アセスメントを短時間で行う工夫として、1日毎に1行程度でコメントが書ける用紙を事前または訪問当日に渡し、気づいたことを短く書いてもらうことで、本人の様子以外にも家族の介護方法を把握し助言をしている、という話が印象的でした。
山口智晴氏の講演
<2日目>
①認知症初期集中支援チームの実際
講師:松浦篤子氏(荒尾こころの郷病院 作業療法士)
:松本敬子氏(宇治市福祉サービス公社 社会福祉士)
◇2日目午前は荒尾市及び宇治市の初期集中支援チームで活動しておられる方々から活動報告がありました。平成25年度から国のモデル事業として実施されている先進地であり、いずれのチームも手探りで地域包括支援センターと役割を分けていたことや、アセスメントの重要性についてお話があり、アセスメントツールは国が示したツールをケースに応じて柔軟に使用していたことや、すでに地域で使われていたツールを使用するなど試行錯誤されておられました。
②事例検討
講師:小川敬之氏(九州保健福祉大学 作業療法士)
:松浦篤子氏(荒尾こころの郷病院 作業療法士)
:松本敬子氏(宇治市福祉サービス公社 社会福祉士)
:物部凡子氏(宇治市福祉サービス公社 保健師)
◇2日目午後からは8班に分かれて、実際のチームによる支援事例を用いてグループワークを実施しました。
テーマは、①課題の抽出、②支援策の検討
<課題>として下記のような意見が出ました。
・本人(夫)と妻との関係、妻の介護負担、妻の病気への理解、かかりつけ医による医学的管理、拒薬 など
<支援策>として下記のような意見が出ました。
・本人と妻とのコミュニケーション支援(お互いの思いお通訳)、本人の趣味を活かした居場所づくり、妻のレスパイトと疾患に対する情報提供 など
<講師のコメント>
地域包括支援センターの支援は「困っていることに対するサービス提供」が主だったが、作業療法士は、「それは本当に困っているのか?誰が困っているのか?」、「本人はもっとできることがあるのではないか?」という視点があるので、認知症初期集中支援チーム員会議で生きてくる、というコメントが印象的でした。
事例検討の様子
<今後の展開>
● 修了者リストを市町村に提供し、初期集中支援チーム参画を促すとともに、作業療法士の初期集中支援チームでの役割についてPRを行います。
● 作業療法士向けにチーム員活動に係るマニュアルを策定し活動を支援し、来年度は圏域別でフォローアップ連絡会の実施を検討します。
<研修概要>
●日 時 1日目(公開研修):平成28年10月22日(土)10:00~17:30
2日目(対象者限定): 平成28年10月23日(日)10:00~15:30
●場 所 ホテルコープイン京都
●主 催 京都府、一般社団法人京都府作業療法士会
●参加者 京都府内に所在または在職し、認知症初期集中支援に関心のある作業療法士等(市町村職員、地域包括支援センター職員含む)
1日目:87名(作業療法士、市町村職員、地域包括支援センター職員等)
2日目:46名(作業療法士)
●内 容
<1日目>
①認知症初期集中支援チームとは
講師:小川敬之氏(九州保健福祉大学 作業療法士)
◇初期集中支援チームが検討された経過に係り、初期対応が行われず家族や地域が限界まで介護し、限界がきた時点で入院処置となり、治療が行われるものの家族や地域は疲弊しきっていることから地域生活に戻れず長期入院や施設での生活を余儀なくされたという反省を、病院での身体拘束や男女が同じ浴室に入れられるなど尊厳を無視された扱いを受ける様子の写真を紹介しながら講義されていたことが印象的でした。
②認知症を支援するための社会資源
講師:松本善則氏(亀岡市地域包括支援センターあゆみ 管理者・京都府介護支援専門員会 副会長)
◇チーム員となる作業療法士が介護保険制度に触れる機会が少ない可能性があることから、介護保険制度を中心に、社会資源についての講義が行われました。特に若年性認知症の場合は介護保険を利用していると障がい者福祉サービスが使えないことがあることから、『他の資源を検討し、何もなければ介護保険の申請をするつもりであたってほしい』という講義がありました。
③認知症の医学的知識
講師:森俊夫氏(府立洛南病院 副院長)
◇代表的4第疾患の医学的知識、チーム員として関わる際に最低限必要な疾患の特徴、認知症のステージに沿ったサポートのあり方や、ケアパスにおける支援の抜け穴についての講義が行われました。
④認知症の作業療法
講師:山口智晴氏(群馬医療福祉大学 作業療法士)
◇チーム員としての実践活動において、アセスメントを短時間で行う工夫として、1日毎に1行程度でコメントが書ける用紙を事前または訪問当日に渡し、気づいたことを短く書いてもらうことで、本人の様子以外にも家族の介護方法を把握し助言をしている、という話が印象的でした。
山口智晴氏の講演
<2日目>
①認知症初期集中支援チームの実際
講師:松浦篤子氏(荒尾こころの郷病院 作業療法士)
:松本敬子氏(宇治市福祉サービス公社 社会福祉士)
◇2日目午前は荒尾市及び宇治市の初期集中支援チームで活動しておられる方々から活動報告がありました。平成25年度から国のモデル事業として実施されている先進地であり、いずれのチームも手探りで地域包括支援センターと役割を分けていたことや、アセスメントの重要性についてお話があり、アセスメントツールは国が示したツールをケースに応じて柔軟に使用していたことや、すでに地域で使われていたツールを使用するなど試行錯誤されておられました。
②事例検討
講師:小川敬之氏(九州保健福祉大学 作業療法士)
:松浦篤子氏(荒尾こころの郷病院 作業療法士)
:松本敬子氏(宇治市福祉サービス公社 社会福祉士)
:物部凡子氏(宇治市福祉サービス公社 保健師)
◇2日目午後からは8班に分かれて、実際のチームによる支援事例を用いてグループワークを実施しました。
テーマは、①課題の抽出、②支援策の検討
<課題>として下記のような意見が出ました。
・本人(夫)と妻との関係、妻の介護負担、妻の病気への理解、かかりつけ医による医学的管理、拒薬 など
<支援策>として下記のような意見が出ました。
・本人と妻とのコミュニケーション支援(お互いの思いお通訳)、本人の趣味を活かした居場所づくり、妻のレスパイトと疾患に対する情報提供 など
<講師のコメント>
地域包括支援センターの支援は「困っていることに対するサービス提供」が主だったが、作業療法士は、「それは本当に困っているのか?誰が困っているのか?」、「本人はもっとできることがあるのではないか?」という視点があるので、認知症初期集中支援チーム員会議で生きてくる、というコメントが印象的でした。
事例検討の様子
<今後の展開>
● 修了者リストを市町村に提供し、初期集中支援チーム参画を促すとともに、作業療法士の初期集中支援チームでの役割についてPRを行います。
● 作業療法士向けにチーム員活動に係るマニュアルを策定し活動を支援し、来年度は圏域別でフォローアップ連絡会の実施を検討します。